たるみ・ほうれい線

顔のたるみの原因は?

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顔のたるみ
シミやシワなどのように色や見た目ですぐにわかるものだけでなく、「なんとなく顔が疲れて見える」、「なんとなく老けた印象に見える」といった具合に顔の印象で見た目年齢を上げやすいものとして「顔のたるみ」があります。個人差はあるものの、10歳は老けて見えてしまうような、多くの女性が抱える顔のたるみの悩み、その「顔のたるみの原因」に関する情報を紹介します。

活性酸素

活性酸素
老化や病気の原因の9割を占める「活性酸素」。肌のシミ・シワ・たるみ等の老化現象の原因となるのもこの「活性酸素」です。

「活性酸素」はどうやってできる?

頭の中ではなんとなく「体に悪いもの」として認識されている活性酸素ですが、実際は生活習慣病や現代病の原因の9割を占めており、認識している言葉以上に体に影響があるものです。その発生経緯もひとつではありません。酸素は私たちが生きるために重要な役割を持っていますが、私たちが意識することなく体に取り込んでいる一方、酸化をして身体の組織を傷つけるなどの害をもたらしています。

酸化とは?

酸素と物質が結びつくことを「酸化」といいます。例を挙げると、鉄が空気中の酸素と結びつくと「錆び」が起こり、これが酸化となります。また、りんごを切ると、りんごの成分が酸素によって酸化され、時間が経つと茶色くなります。このように、酸素に触れた物質は必ず酸化するのです。

酸化現象

人間の身体は約60兆個の細胞から作られています。そのひとつひとつの細胞が血液から酸素と栄養分を取り込み、酸素で栄養分を燃やしてエネルギーを得ています。そのエネルギーを作り出す過程で活性酸素が発生し、活性酸素に触れた細胞膜やDNAなどが酸化します。酸化してしまうと、その機能が弱まってしまい、様々な病気の原因となってしまうわけです。

活性酸素とは?

活性酸素の発生
酸素を吸う以上、活性酸素の発生は避けられない

人間は呼吸し酸素を取り込んで生きています。その酸素は細胞内で栄養素と結びつくことでエネルギーを発生させます。このエネルギーを発生させる際に「活性酸素」という物質を排出します。この活性酸素が体を錆びさせる原因となります。もともと活性酸素は体内の異物や毒物、細菌やウイルスを分解する機能を持っていますので、人間に必要な物質ですが、余分な活性酸素は正常な細胞にまでダメージを与えてしまいます。この「ダメージを与える」ことが、すなわち「酸化」であり、様々な病気や老化の原因となってしまうわけです。活性酸素は非常に毒性が強く、体内を巡りながら触れたものを破壊します。最初は自分の体では認識できませんが、それがいつまでも抑制されないでいると、細胞の損傷が激しくなり、病気を誘発してしまいます。特に、細胞膜を形成している「脂質」との結合を好み、過酸化脂質を作り出し、細胞の老化を促進し、そればかりか、血管を弱らせて脆くしたり、動脈硬化を進行させる原因を作ったりと、良いことがありません。しかし、酸素を取り込むことで生きている人間にとって、代謝の過程で発生する活性酸素の害は避けることのできないものです。

「活性酸素」が増える6つの原因 

【1】 呼吸

私たちが呼吸をして酸素を取り入れた際、体内で酸素と栄養素が結びついてエネルギーを発生させるエネルギー代謝の過程で2~3%の割合で活性酸素が発生します。

【2】 無酸素運動、激しい運動

短時間での激しい運動や無酸素運動をすると、筋肉が一時的に虚血状態になり、その後、血流が再開すると大量に活性酸素が発生します。特に、年を取ってからの運動は無理をするとかえって体に悪いということになります。

【3】 体内に入った化学物質(喫煙、残留農薬、食品添加物、排気ガス、大気汚染)

生体にとっての異物やこれまでに自然界に無かった化学物質は活性酸素発生の原因となります。

【4】 ストレス

仕事や勉強、人間関係などのストレスも体内で活性酸素を増やす原因です。ストレスから胃潰瘍、十二指腸潰瘍になったとよく聞きますが、これも活性酸素が原因です。ストレスに対抗しようとして副腎皮質ホルモンが分泌され、この分泌と分解の過程で活性酸素が発生します。また、ストレスがあると高血糖になりやすく、この状態も活性酸素が増える原因となります。

【5】 紫外線、放射線

紫外線を浴びると体内に活性酸素が発生します。この活性酸素がメラニン色素の形成を促進し、シミになり、皮膚組織(真皮層)にダメージを与えシワ、たるみを誘発します。癌治療のひとつである放射線治療は放射線で体内の活性酸素を増やし癌細胞を死滅させるという目的で使われます。

【6】 飲酒

お酒・アルコール類を摂取すると、内臓に影響がある部分は「肝臓」です。肝臓は臓器の中でも特に酸素を必要とします。肝臓では、呼吸で得た酸素の約30~50%という大量の酸素が消費されているため、呼吸の際に取り込んだ酸素のうちの2~3%が活性酸素に変わりますので、肝臓は内臓の中で最も活性酸素の影響を受けやすいのです。肝臓機能が低下すると、活性酸素も増加し、肌の酸化が進んでしまいます。

活性酸素が引き起こす「顔のたるみ」

私たちの細胞は酸化によって傷つき、衰えます。こうした酸化による老化現象は「肌サビ」と呼ばれています。肌への酸化現象「肌サビ」は肌年齢を加速させるものです。

コラーゲンとエラスチン

コラーゲン・エラスチンを変質させる

活性酸素は、皮膚の真皮層に存在して肌のハリや弾力を保持するコラーゲン(※1)やエラスチン(※2)を破壊・変性させ、シワ・たるみをまねく原因になります。特に、紫外線によって発生する活性酸素は、シワ・たるみを引き起こす大きな要因と考えられています。

※1 肌のハリを保つコラーゲン
コラーゲンは体内に存在するたんぱく質の一種で、あらゆる臓器に含まれています。人間の体は約20%がたんぱく質で、そのたんぱく質の3分の1をコラーゲンが占めているといわれています。コラーゲンを多く含む臓器は皮膚、骨、軟骨などですが、コラーゲン全体の40%は皮膚内に存在し、肌のハリを保つ働きをしています。
※2 肌に弾力を与えるエラスチン
エラスチンはコラーゲンと同じく、体内に存在するたんぱく質の一種です。真皮内のコラーゲンにからみついて存在し、ゴムのように伸縮する性質があり、肌に弾力を与える働きをしています

DNAを損傷する

活性酸素は、DNAを傷つけて新陳代謝に悪影響を及ぼします。DNAとは、細胞の情報を司り、細胞の生成や新陳代謝に関与する重要なもので、DNAが傷つくと正常な新陳代謝が行われなくなり、新陳代謝が低下すると、古いコラーゲンがうまく代謝されずに固くなってしまい、やがてシワ・たるみが出来やすい皮膚状態になります。

過酸化脂質

たるみ毛穴を誘発する

紫外線やストレスなどで発生した活性酸素が原因で皮脂が酸化されると、過酸化脂質という肌にとって刺激の強い物質に変化します。その過酸化脂質によって肌表面が刺激を受けると、小じわや毛穴の開き、毛穴のたるみを引き起こす可能性があります。毛穴のたるみや毛穴の開きは、顔全体がたるんで見えてしまう原因になるものです。

紫外線

紫外線は、肌に到達すると「活性酸素」を発生させ、真皮層に存在する、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを変性させたり、コラーゲンを破壊する酵素を増やすなどの悪影響をもたらします。紫外線を浴びると、体内の酸素が「活性酸素」となります。活性酸素は、肌(表皮)に存在する皮脂や細胞間脂質、さらには一つ一つの細胞の膜を構成している脂質と合わさって、過酸化脂質をつくりだします。過酸化脂質は細胞組織を傷つけ、肌の老化を早めます。活性酸素・過酸化脂質はコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、正常な構造を壊してしまいます。活性酸素の影響を受けたコラーゲンは、不自然な結びつきが増えて固くなるため、新陳代謝が鈍くなっていきます。固くなったゴムは伸びないように、コラーゲンやエラスチンもまた、固くなると従来の弾力が落ちてしまうわけです。また、紫外線はエラスチンを分解する酵素の働きを活発にし、エラスチンの分解を促進します。こうして、日焼けすることでコラーゲンやエラスチンの持つ肌のハリや弾力を保つ力が弱くなり、肌のたるみに繋がっていくのです。

紫外線の種類によるダメージ

紫外線

太陽の光は大きく分けて5種類あります。波長の長さに違いがあり、最も波長の長いものを「赤外線」、次に長いものを「可視光線」、さらに波長が短く、目に見えない光線を「紫外線」と呼びます。光線は波長の短いものほど強烈なエネルギーを持ちます。紫外線の中でも、波長の長さにより、UV-A(紫外線A波)、UV-B(紫外線B波)、UV-C(紫外線C波)の3種類に分けられます。

紫外線A波と紫外線B波

◆UV-A(紫外線A波)

UV-Aは紫外線の中で最も波長が長く、雲やガラスも通過します。そのため、曇り空のときや、室内にいる時でも浴びることが多くなります。全体の3分の1から半分の量の紫外線が、皮膚の基底層から真皮にまで達し、メラニンをつくる工場とも言われるメラノサイトの働きを活発にします。
そのため、周囲の細胞に大量にメラニンが送り込まれたり、既存のメラニンが酸化して、サンタン(皮膚の色が黒くなる)を起こします。また、UV-Aは真皮内に存在する、肌のハリや弾力を保つ
コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す「繊維芽細胞」という細胞にダメージを与えます。線維芽細胞がダメージを受けると、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの生成量が減ってしまうだけではなく、これらを分解する酵素が過剰に分泌され、肌の弾力が失われます。

◆UV-B(紫外線B波)

UV-Aと比較すると皮膚に対する刺激が強く、肌の表面に作用し、サンバーン(皮膚に炎症を起こし、赤くなる)を起こします。これは皮膚にある細い血管が拡がって、血流量が多くなった状態で、紅斑(こうはん)とも呼ばれます。UV-Bはシミ・そばかすの原因となるほかに、真皮内のコラーゲンを壊す酵素を増やす作用もあり、シワやたるみの発生にも繋がります。

◆UV-C(紫外線C波)

一番波長が短く、細胞を破壊する等の有害な作用が多くありますが、オゾン層に吸収され、地表面上にはほとんど届きません。しかしオゾン層が薄くなったり、ぽっかり大きな穴があいてオゾンホールができてしまうと、地上にUV-Cが届いてしまいます。UV-Cをまともに浴びてしまうと、重度の火傷の症状をきたすとされています。オゾンホールがみられる南極に近いチリ南部や北極に近いカナダ北部においては、UV-Cの到達によると思われる皮膚損傷の事例がいくつか見られています。

肌弾力の低下

肌の弾力が低下すると、顔のたるみの原因になります。私たちの肌の真皮層には、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの成分があります。肌の弾力は、これらの成分が真皮層に適切な構造で十分に存在することで保たれています。しかし、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は、加齢と共に減少します。コラーゲンやエラスチンが減ると、重力に逆らってぴんと張る肌の力が衰えてしまいます。また、ヒアルロン酸は水分保持能力が高い成分ですので、これが減少すると肌内の水分量が減り、やはりたるみを引き起こします。また、肌のバリア機能が低下すると外からの刺激を受けやすくなるため、コラーゲンなどの物質が破壊されやすくなります。若くして肌の弾力が衰えている人は、これが原因となっている可能性が高いです。肌の弾力(ハリ)は紫外線の影響や以下のようなことで失われてしまいます。

生活習慣

繊維芽細胞がコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成するには、たんぱく質やビタミンCをはじめ、様々な栄養素が必要です。食生活のバランスが悪いと、線維芽細胞に十分な栄養がいきわたらず、肌のハリが失われます。また、「肌は夜作られる」と言われるくらい、睡眠は肌にとって重要です。当然ながら、睡眠不足もたるみの原因となります。

乾燥

角質層の水分保持力が低下した状態、つまり肌が乾燥した状態になると、真皮層の水分を十分に保つことができなくなり、真皮層の負担となります。

加齢

赤ちゃんの肌にハリがあり、みずみずしいのは、真皮層にコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が多いからです。ヒアルロン酸は、肌の真皮層で弾性繊維の隙間を埋めるゼリー状のムコ多糖類で、水分保持能力が特に優れている物質です。このヒアルロン酸を生み出す力は年齢と共に衰えるため、加齢と共にたるみが形成されてしまいます。肌内の保湿力が失われ水分が減ることにより、肌表面にシワが、顔全体にたるみが生じるのです。40代になると、ヒアルロン酸は、赤ちゃんの真皮のヒアルロン酸量の約半分程度になってしまいます。

また、顔の皮膚の下にある筋肉や脂肪は、年齢と共に減っていき、それと同時に、肌の弾力性も失われて、皮下組織との間にすき間ができてきます。これは自然現象で避けようのないことです。
しわやたるみをもたらすこの自然現象は、このように加齢とともに進行していきます。

表情筋・深層筋の衰え

表情筋と深層表情筋

顔には「表情筋」と「深層筋(深層表情筋)」と呼ばれる2種類の筋肉があります。表情筋は、文字通り笑ったり怒ったりと表情を作るたびに動く顔の筋肉で、皮膚のすぐ下にあります。一方、深層筋は、骨に付いている筋肉で、表情筋の下で表情筋を支えています。また、深層筋はポンプのように血液を顔全体に送り届ける役割をしています。

表情筋が衰えると、そのすぐ上にある脂肪は支えをはずされたような状態になってしまい、さらに、年齢と共に皮膚も衰えてくるので、顔の脂肪は重力の影響とあいまって下に下がりやすくなってしまうのです。深層筋が衰えると、表情筋が支えられなくなったり、肌に栄養がいきわたらなくなります。そのため、表情筋と深層筋の衰えはたるみの原因となるのです。

顔の筋肉は、生活の中で作る表情により鍛えられます。よって、無表情で顔の筋肉を動かさない生活をしていると、表情筋も他の筋肉と同様に衰えていきます。「笑う」という表情は、他のどの表情よりも顔の筋肉を動かします。笑いの絶えない楽しい生活を送ることも、たるみ予防の一環になるようです。

猫背・姿勢の悪さ

顔の筋肉は頭や首と繋がっています。猫背で顔を突き出すような悪い姿勢は、首の後ろ側が縮み、首の前部分が不必要に伸びるため、頬が下方向に引っ張られてしまいます。最近は、20代で顔のたるみに悩む人が増えていると言いますが、その原因の1つが長時間のデスクワーク、PCやスマホなどを操作している時の姿勢、さらに、歩く時に猫背になっていたり、悪い姿勢を長時間続けると、顔の筋肉が引っ張られ、年齢に関係なく、たるみの原因となります。

スマホ

日常生活で「携帯・スマホ」を誰もが使うようになった最近では、「携帯・スマホ」を見るときの「姿勢」や集中することによる「食いしばり・無表情状態」、そして「目の疲れ」が「スマホたるみ」を作り出す原因となっています。

スマホを使用する「姿勢」の悪さ

猫背の女性

「携帯・スマホ」を操作しているときの姿勢は、小さい字を読まなければならないので、自然と姿勢が上の写真のような状態であるという方も多いと思います。首が前にでて、背中が丸まっており、内臓が圧迫されている。そして、顔を下げている状態です。長時間に渡る同じ姿勢で、背中(脊柱起立筋/広背筋/僧帽筋)や、腰(大腰筋/腹直筋/内腹斜筋) の筋肉が衰えると、肩甲骨が下がり、腰骨等それぞれの骨が歪み、猫背状態になります。また、猫背により、「肩」がゆがむと、全身のリンパや血液の循環が悪化してしまい、顔でも老廃物の流れが滞り、頬の皮下脂肪に溜まってしまうことで、二重アゴやフェイスライン・頬がたるむ、むくみ等の症状を引き起こすのです。

集中による「食いしばり」・「無表情」

ネットサーフィンなど、長時間集中する行為を行うと、顔の表情筋が強張ったり、食いしばりが起きます。これらは、口の周りの筋肉が硬くなる原因になってしまいます。さらに血流が悪くなるので筋肉が凝り固まってしまい、その結果、顔のバランスが崩れてしまうので顔の歪みやたるみ肌形成へとつながります。また、集中すると「無表情」になることもあります。無表情が多いと表情筋が衰え、筋肉が痩せてくる為、たるみが進行します。また、筋肉が衰えると、脂肪がつきやすくなり、重力で下向きに引っ張られる事にも繋がります。

近距離での操作による「目疲れ」

「携帯・スマホ」を近距離で長時間見ることは、目の疲れに繋がります。それが原因で血行が悪くなり、目の周りの筋肉が凝り固まってしまいます。結果、目の周りの表情筋が衰え、「目元たるみ」となります

ストレス

最近は、多くの女性が社会に出て活躍している時代です。環境変化や多忙といった原因で、ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか?また、子育てや家庭・人間関係の問題を抱えている方もいらっしゃるかも知れません。こうしたストレスは、体内の活性酸素を必要以上に大量発生させてしまいます。ストレスから胃潰瘍、十二指腸潰瘍になるとよく耳にしますが、これも活性酸素が原因です。ストレスに対抗しようとして副腎皮質ホルモンが分泌され、この分泌と分解の過程で活性酸素が発生してしまうのです。活性酸素が多すぎると、体内の正常な細胞を傷つけ酸化させてしまい、シワ・たるみを引き起こす大きな要因となります。 

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